青空文庫で読む名作 私撰集 短いのが中心
私が青空文庫で見つけた名作を紹介します。基本的に、パソコンのモニタで読める程度の、短いお話ばかり。各寸評は私の付けたものです。気が向けば追加してゆきます。
- 横光利一『頭ならびに腹』
- 個人的には、なぜか芥川龍之介『蜜柑』と対になってる作品。同じく爽快。三人称、一人称の視点の違いや、主人公の作中での立場が正反対で、なかなか興味深いです。
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- 芥川龍之介『蜜柑』
- こいつや『羅生門』、『鼻』のせいで、芥川竜之介は、最後の一文に凝る作家のようなイメージがある。横光利一『頭ならびに腹』と似てるけど、こちらの方が、より「分かりやすい意味で」技巧的。
- 樋口一葉『わかれ道』
- 台詞回しが、浅田次郎(の、『角筈にて』とか『鉄道員』)っぽい。
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- 太宰治『満願』
- 白いパラソルが印象的。自分の中で、同じくパラソルというか傘が印象的で、しかも同じように短い作品に、川端康成『雨傘』があります。けれどもこちらの方がユーモラス。あちらは丁寧。
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- 太宰治『親という二字』
- 不思議な感覚。「ウィスキイに命が溶け込んでいる」ように、この小説に人生が標本になって瓶詰めされている感じ。
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- 織田作之助『郷愁』
- 一度読むと、こんなもんか、という感じですが、もう一度読むと無駄の無いのが分かります。
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- 夏目漱石『夢十夜』
- 幻想的。全体としてはパソコンで読むには長めですが、第一夜から第十夜までの十個の小作品に分かれているので、一つ一つはとても短いです。個人的には第一夜と第六夜が好きです。
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